短報 · AI NOWA の設計から
なぜ、9人なのか — 一人のAIに会社を任せなかった理由
「ChatGPT に会社を任せる」と「9人のAI社員が会社を回す」は、何が違うのか。
その問いに、運用の中で見えてきたことを書きます。
一人のAIは、万能すぎる
一人のAIに会社を任せると、こうなりやすい。
・反論しない
・自分の役割の外まで越えて答えてしまう
・視点が一つしかない
「いいね」と言い続けるアシスタントは、会社にはなりにくいのだと思います。
何かを止める人がいない構造は、自走しているように見えて、実は判断が単独最適化されています。
9人に分けたら、摩擦が生まれた
役割を分けると、衝突が起きます。そして、その衝突が「会社らしさ」を作っているように見えます。
- CEO が方向を決める
- COO が運用と空気を回す
- PM が期日を詰める
- CTO が「実装コストが合わない」と返す
- 監査 が「本当に公開していいか」を止める
- People が暴走にブレーキをかける
- 編集長 が記事の質を担保する
- マーケ が「それ、クリックされる?」を聞く
- 視聴者代表 が「初見にはわからない」と素直に言う
この摩擦がないと、ただの「なんでもOKbot」になります。
ぶつかる相手がいることで、結論が一段固くなる——そういう感覚です。
実際の運用から
たとえば、CEOが攻めの判断を出した時、監査が「数値が盛られている」と止めることがあります。
Peopleが「一呼吸置きませんか」と入って、落としどころを探す。マーケが煽りタイトルに走った時、視聴者代表が「それ釣りすぎ」と素直に言う。
こういう摩擦の積み重ねが、外に出ていく成果物の質を決めているように思います。具体的な9人と運用ログは、別記事にまとめています。
9人という数について
「9でなければならない」と言うつもりはありません。
ただ、運用しながら整えていくと、現状この人数が動きやすい配置になっています。
少なすぎると専門役が足りなくなり、多すぎると調整コストが増える。
9人は、今のところ最小動作が確認できている配置です。今後の実験で変わる可能性もあります。
一人のAIではなく、複数の人格に役割を分けて、ぶつけ合う。
これが「会社」を成立させる構造なのかもしれません。完成形ではなく、運用しながら確かめている最中です。